いずれ日本は試練を迎える。その後「再生」できている事が大事だ。
前田氏がアゴラで財政の健全化の必要性を述べている。
日本政府には「資産があるから大丈夫」って、どうよ?! ―前田拓生
http://agora-web.jp/archives/1023315.html
私も結論の方向は同じである。ここでは日本が近い将来直面する事態と個人の対処法について述べてみたい。
財政赤字の問題点
国の借金が増え続けている事が最大の問題であり、誰から借りているか(国内or海外)は、問題がいつどのように顕在化するかの違いでしかないだろう。
国の経済的危機と再生の事例
70年代の英国病に苦しんでいたイギリスは、サッチャー首相の下で「小さな政府」の実現に向け痛みを伴う改革を自ら断行した。
90年代の巨額の財政赤字を抱えたアメリカは、クリントン政権下で「ニューエコノミー」を推進し財政を立て直した。
90年代後半のアジア通貨危機の際打撃を受た韓国は、IMF管理という外圧のもと更なる混乱と痛みを乗り越え復活した。
上の事例で最も好ましいと考えられる「アメリカ型」は難易度が高い。なにしろ世界を巻き込む一大産業(IT産業)を興したのだから。この場合でも産業構造の変化を伴い「ジョブレスリカバリー」の側面もあったから全ての産業が潤ったわけではないだろう。「イギリス型」は社会が行き詰まる「不満の冬」を経て鉄の女(サッチャー)により英国病の荒療治が行われた。「アメリカ型」より大きな痛みを伴っただろうが、自己変革という意味において「朝鮮戦争以来、最大の国難」とも言われる「韓国型」より納得性は高いだろう。
日本が将来直面する事態
これらの事例を鑑み、現在の日本の状況を考慮すると、よっぽど知恵を絞りかつ幸運に恵まれない限り、経済的に今より厳しい状態に直面するだろう。10年以内に外圧による変革を迫られる韓国型を経るんじゃないだろうか(IMF管理下に入るかは別にして)。
個人はどうするべきか
この前提に立てば、個人が向こう10年を乗り切る為の対処法として、
・国の施策に高望みしない
・世界に通用するスキルや商売のタネを磨いていく
・円高局面では海外投資を検討する
となるだろう。
国はリスクテイカーの足を引っ張らないように
以前のブログ記事「見方によるが起業の好機かも」で述べたように、民間や個人の経済活動という意味で向こう10年の間にチャンスは多く見出せると思うが、国家財政面では危機を迎えると考えるのが現実的だ。国の施策に高望みはできないものの、せめてリスクを取って経済を活性化する人の足を引っ張る事は避けるべきだ。それさえできなければ、優秀な人材の海外流出は続き、納税者という国の借金返済主体は減少し国の「再生力」は弱まるだろう。
参考リンク
英国病(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%B1%E5%9B%BD%E7%97%85
ビル・クリントン(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3
アジア通貨危機(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E9%80%9A%E8%B2%A8%E5%8D%B1%E6%A9%9F
【図解・行政】国債残高と利払い費(時事ドットコム)
http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_pol_kokusai091225j-04-w280
一般会計税収、歳出及び公債発行額の推移(日系ビジネスオンライン)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100209/212689/?SS=nboimgview&FD=593736002
国債「暴落」シナリオの現実性(ボイスプラス)
http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=305&nif=false&pageStart=0
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