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2010年2月 7日 (日)

新聞社が電子メディアリーダーを配る日

池田信夫氏が「新聞の没落はジャーナリストのチャンス」と題し、インターネット時代に適応すべくメディア産業が選択と集中を進め、実力のあるジャーナリストがさらに飛躍するといった趣旨の記事を掲載している。

http://agora-web.jp/archives/818231.html

自分も大枠では池田信夫氏の考えに賛成である。問題は、飛躍できるジャーナリストがどれだけいるか、である。
競争は厳しいし、ジャーナリストを本業として食べ続けられる人は多くないだろう。

ここでは視点を変え、新聞社の非中核部門(と思われる)のひとつ、販売部門(新聞販売店)の今後について考えてみる。
なお、新聞社と新聞販売店は別会社であるが、大手新聞社は系列の販売店(専売店)網をもっている事、池田氏の上記記事によると「新聞のコストの4割は販売経費」である事から新聞社にとって販売店は無視できない組織の一員だろう。

この新聞販売店、やはり経営は厳しいようで、販売店数は減少傾向にあるという。また、地方では複数の新聞を扱う「合売店」も多いらしい。ネットの普及と日本の人口減少を考え合わせると、今後の販売店数の減少傾向と合売店比率の高まりは避けられないだろう。

ただ、販売店が新聞の購読者という顧客を抱えている事は重要である。新聞販売店をとりまく経営環境の変化を前向きに活用するとすれば以下がポイントになるだろう。

・ネットを活用しサービス効率を上げる。
・より幅広い商品・サービスを提供するアクセスポイントになる。

例えば以下の形態が考えられる。

・新聞販売店は、紙の新聞を配達する代わりにネット経由で電子新聞を見ることができる「電子新聞端末」を配布する。
・「電子新聞端末」は、新聞の参照以外にも広告が挿入され、さらに電子書籍の購入機能やネット通販機能も備える。
・端末経由での売り上げの一部は販売店へ報酬として還元される。
・「電子新聞端末」を希望しない顧客には従来通りの紙の新聞を配達するが、折込チラシには地域の広告だけでなく、ネット通販の商品・サービスも入れ、新聞販売店はそれらの販売代理店になる。

日本の金融資産の大きな割合を高齢者が保有していると言われており、これは紙の新聞購読者と重なるだろう。さらに高齢・紙の新聞購読者層はネットの恩恵を享受できていない可能性が高い。この顧客層に販売店がネットを活用したサービスを提供し、一部を対価として受け取る事業モデルを構築できれば販売店の未来は決して暗いものではないだろう。

事業の視点では、メディアの中核としての取材・編集機能と、非中核部門の販売機能はどちらが「おいしい」かを考える事はあまり意味がない。競争戦略が違う事を理解し、活用できた者がおいしさを享受できるのである。
一方はグローバルでドライな競争が繰り広げられ浮き沈みが激しく、もう一方は極めてローカルな世界である。

従来メディアは池田氏の言うとおり選択と集中を進め、販売網はグループから離れる方向に向かうだろう。
そのとき販売店は従来型事業モデルを継続し縮小・撤退に向かうのか、それとも独立し事業転換と拡大をはかるのか、はたまた他の企業グループの傘下に入るのか。

個人的には、いずれ、ネットの可能性と限界を知っている楽天あたりが販売店網を買収する日がくるのではないか、と思う。

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